[論文紹介] SMSociety’18 Avoiding Drama in School

[論文紹介] SMSociety’18 Avoiding Drama in School

Vanessa P. Dennen, Stacey A. Rutledg, Lauren M. Bagdy, Jerrica T. Rowlett, Shannon Burnick: Avoiding Drama: Student and Teacher Positioning within a School’s Social Media Ecosystem, Proc. of SMSociety’18 Proceedings of the 9th International Conference on Social Media and Society , pp. 271-275, 2018.

アメリカではDramaという問題が起きつつある.これは世界各国で起こっている問題であると思われるが,とりわけ言葉として確立しているのはアメリカだけであると思われる.Dramaとは,もともと「いざこざ」という俗語としての意味を持つが,特にソーシャルメディアの文脈では,「いじめ」や「炎上」というような大きな問題にはなっていないが,それに繋がりかねない些細な行為を指す.ある人はそのような行為を気にも留めないが,ある人からは毛嫌いされることもあるようなものである.例えば,友人のゴシップや,「彼氏や彼女がいない」というような誰かにかまってほしいことを示唆するつぶやき,一般論として議論したいのに自分に何があったのかを詮索するような質問などである.「いじめ」や「炎上」に繋がることは必ずしも多いわけではないが,これを目にした当の本は一瞬気を悪くするようなものである.

この論文では,アメリカの高校生37人とその教員14人を対象にインタビューを行い,
RQ1: 生徒と教員はどのようにソーシャルメディアにおけるドラマを定義しているか?
RQ2: ソーシャルメディアのドラマとそこに登場する人物の役割について,生徒と教員間で認識は異なるか?
RQ3: 生徒と教員はソーシャルメディアのドラマにおいて,自分自身をどのように位置づけしているか?
について示唆を与えようとしている.論文では,このRQの順番で調査していくのではなく,ドラマの定義とドラマにおける自分の位置づけのインタビュー結果を生徒側と教員側に分けて,インタビュー結果を提示している.

生徒側へのインタビューの結果,自分をかまってほしいと思わさせる投稿や,友人間のゴシップが挙げられた.RQ2に対しては,生徒はソーシャルメディアにおけるドラマに対しては傍観者であることを述べる人が多いことが分かった(これは「いじめ」と同じ構図のように思われる).また,ドラマとなる投稿や返信をする人を,「未熟」と判断していることも分かった.わざと友人の誤解を招く内容の投稿を行い自分の近くの友人の対人関係の緊張を楽しむ当事者もいたが,ほとんどが傍観者であった.

教員側へのインタビューの結果,教員は生徒のやりとりのほとんどをドラマであると認識していることが分かった.しかし,生徒はソーシャルメディアの世界で起こっていることを教員に共有しようとはしないため,簡単に介入できないことも分かった.一方,オフラインの状況で,ドラマについて議論したり,ドラマとうまくやっていくガイドラインを示したりしていることが分かった.また,教員は生徒が参加するソーシャルメディアから一定の距離を取っていることも分かった.

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