配属のポイント
兵庫県立大学社会情報科学部3年生向けに、土方研究室配属のポイントをお伝えします。主に3年生に向けたメッセージですが、大学院入学志望の方も、ぜひご覧ください。
土方研究室の雰囲気
アットホームでやわらかな雰囲気です
学生の皆さんにとって、一番気になるのは「研究室の雰囲気」だと思います。土方研究室ではアンケートや心理実験を行うことから、皆で協力して助け合って、研究を進めていきます。学生一人一人の研究テーマは、それぞれ違いますが、アンケートの取り方や実験対象者の探し方、実験のためのシステム開発の方法などは、互いに共通です。そのような知識やスキルを互いに教えあいながら、研究を進めていきます。また、調査回答者や実験参加者を協力して集めたり、お互いにパイロットテストの被験者になったりして、研究を進めていきます。そのため、優しくてやわらかい雰囲気の学生が集まってくれます。
教員が望む学生
利他の精神を持ち、互いに助け合って研究を進めることができる
上にも書きましたが、人を対象にして調査を行ったり、実験を行ったりするため、研究室に来て、互いに助け合って研究を進めることができる学生に来てもらいたいと思います。
土方研究室に合う学生
- 利他の精神を持ち、仲間を手助けすることができる
- ソーシャルメディアやサブカルが好き。または人の心理に興味がある
- 調査や実験、分析を根気よく続けることができる
- 素直であり、自分の知らない技術や分析方法も進んで取り入れることができる
- 研究室で研究をしたい
研究室の仲間と協力し合って研究を進められることについては、上で述べた通りです。次に重要な学生の資質としては、土方研究室の研究対象はソーシャルメディアと推薦システム(レコメンド)ですので、それらに興味がないと研究になりません。ソーシャルメディアで扱われるコンテンツには、アイドルやアニメ、漫画、ゲームなどサブカルも多いので、それらに興味がある方も歓迎です。また、主に人の心理と行動を扱いますので、人に興味がある方や人が好きな方に来てもらえると嬉しく思います。
調査や実験は1回でうまくいくことは、ほとんどありません。何度も調査したり実験したりする根気が必要になります。また、多角的にデータを分析しますので、自分の知らない技術や分析方法をどんどん取り入れて行く必要があります。また心理学の分野は、科学的に正しい研究方法が確立されていますので、それに従って研究を進めていく素直さも必要になります。このように積極的に学びの姿勢を継続できる素直さが必要です。
最後に、研究を進めるには学生間の協力が必要です。そのため、皆さんには研究室で研究を進めて欲しいと思います。
学んでおくと良い科目
土方研究室に応募される方(社会情報科学部3年生)は、土方が担当する講義「メディア心理分析論」(2025年度より開講予定) を受講するようにしてください。3年終了時で、未受講の方は4年生で受講してください。「メディア心理分析論」では、メディア心理学における基礎的な理論や研究方法、そして最新の研究事例まで紹介します。また、社会調査法、多変量解析、データマイニング、機械学習も受講しておくと良いと思います。これらは多角的なデータ分析に必要です。
大学院進学の勧め
大学3年生の時点で、すでに就職活動をしている学生も多いと思いますが、土方研究室に配属された学生全員に、大学院進学をお勧めします。これは、学部卒と大学院卒では、到達する研究のレベルが全く異なることと、その課程で得られる提案力や分析力が全く異なってくるからです。土方研究室配属後、すぐに1:1で面談を行い、キャリアパスについて相談します。より良い会社やより高度な職種に就きたい方は、ぜひご検討ください。
研究の方針
土方研究室では、以下の方針で研究テーマを選び、研究を進めています。
- ワクワクする研究をする
- 人を幸せにしない研究はしない
- リアルな環境で調査・実験を行う
社会課題を見つけて解決するというのは理想的ではありますが、土方研究室では、そんなことよりも、そもそもその研究は面白いのか、ワクワクするのかを重視します。「そんなこと調べて何の役に立つの?」というようなことでも、人の行動として面白ければ、研究対象にします。
人の心理特性や行動特性は、人類にとって最も興味深い学問だと思いますが、その研究結果は人の行動を良い方向に変えることにも、悪い方向に変えることにも利用できます。そのため、特定の組織や団体にしか利益をもたらさないような、人を幸せにしない研究は絶対に行いません。
土方研究室は、基本的には情報科学の基盤の上に成り立つ研究室です。そのため、いわゆる文系の心理学や社会学の研究室とは、研究方法が異なります。どこが異なるかというと、実際のSNSにおける行動データを取得したり、新しい技術やシステムを実際に開発して、その上で実験を行ったりと、よりリアルな環境で調査や実験を行います。これにより、研究としての圧倒的な差別化を図るとともに、皆さんが社会で(特にIT業界で)、高度な専門職として(研究開発やマーケターやデータサイエンティストのような職種)働くためのスキルを身に着けることを目指します。
教員からのコミットメント
最後に、研究室運営や研究テーマの設定について、教員から学生の皆様へのコミットメント(約束)です。
- 居場所を提供したい
- 一緒に走ってあげたい
- あなたの「好き」を応援したい
学問に興味があり、勉強することが好きな学生が、安心して集まれる場所を提供したいと思います。「あー、ここにいても良いんだ」と感じることのできる「こころの安全基地」を作りたいと思います。
私は一人で研究するのが嫌いです。学生の皆さんと一緒に研究したいと思っています。そこで、皆さんと一緒にしっかりした研究シナリオを立て、皆さんが安心して研究を進められるよう、常に側について指導したいと思っています。皆さんと一緒に悩んだり、考えたりすることで、本物の研究のプロセスを経験してもらおうと思います。
最後に、あなたの「好き」を応援したいと思います。土方研究室を希望してくれる学生は、何らかの好きなものがある方が多いでしょう。その好きなものについて情報を得たり、語り合ったりするのに、SNSを使っている方も多いと思います。常に好きなものを対象にした研究テーマが設定できるとは限りませんが、研究活動や研究室運営全般を通じて、あなたの「好き」を応援します。