教員挨拶

soc-ja

皆さん、初めまして。メディア心理学研究室の指導教員をしております土方嘉徳と申します。私の専門は、メディア心理学(社会情報学、社会心理学、ソーシャルメディア論)で、ソーシャルメディアと推薦システム(知的システム)における行動心理モデリングの研究を行っています。

皆さんが使っているソーシャルメディアですが、皆さんはユーザのことをどれくらい理解していますでしょうか?具体的には、どういう人が多くの投稿をしていますでしょうか?どういう投稿をすれば、周りに良い印象を与えられるでしょうか?簡単な疑問ですが、これらについて答えられる人は、はほとんどいません。

ソーシャルメディアとメタバース

人類の歴史の中で、人々は様々なコミュニケーション手段を開発し、利用してきました。手紙や電話もその一つですが、ソーシャルメディアは、最先端のコミュニケーション媒体と言えます。そして、そのコミュニケーション媒体は、日々進化し続け、利用する人間も進化し続けています。

我々が生きる世界が、現実世界に加えて、仮想世界(メタバース)へと拡張しようとしているときに、仮想世界における人間の行動特性を理解しなくて良いはずがありません。土方研究室では、このような人間科学の基礎的知見を発見することを目指します。このような知見が得られれば、より良い体験ができるメタバースを開発できると思われます。

メディアとAI

また、ソーシャルメディアやメタバースなどのデジタルコミュニケーション環境では、AI(人工知能)による支援や介入が避けられません。AIによるサービスは、より良いコンテンツや人との出会いを提供し、オンラインでの仕事や勉強の手助けになってくれるはずです。

土方研究室では、AIによるサービスの中でも推薦システムに注目し、推薦システムにおけるユーザの行動・心理特性や、心理と行動の関係を解明しようとしています。人々の心理特性や心理モデルを解明することで、推薦システムのユーザ経験をより豊かにすることができます。

メディア心理学とは

メディア心理学研究の究極の目標は、次々生まれる新しいデジタルコミュニケーション環境と、人工知能による支援サービスにおける人の行動特性とそれを引き起こす心理プロセスを明らかにすることにあります。コミュニケーション環境が変われば人の行動が変わり、人の行動が変われば、新しいコミュニケーション環境が生まれます。これほどダイナミックな研究対象は他に存在しません。

土方研究室では、ソーシャルメディアやメタバースなどのメディアと、ゲームやアニメ、ボカロ、アイドルなどのポップカルチャー、そしてそれらを消費する人々の心理や行動に興味のある学生を歓迎します。そして、それらを社会的な視点で問題意識を持ち、データサイエンスの手法で科学的に検証することに意欲のある学生を募集します。一緒に、デジタル時代における新たな研究領域を開拓していきましょう。

兵庫県立大学大学院
情報科学研究科
教授 土方 嘉徳

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